九州電塾セミナーレポート09'09

九州電塾セミナーレポート

電塾九州09-09

9月19日
第28回九州電塾定期セミナーを今回も九州産業大学視聴覚教室をお借りして行いました、
連休最初の土曜日、天気もよく過ごしやすい天候の土曜日になりました。

090919電塾講義_27.jpg今回の講師は皆さんよくご存知の鹿野さん、どうしても九州の皆さんに究極のカラーマネージメントをお伝えしたいとの事で、急遽お願いしました。
 まず本題に入る前にSSDLinkIconのお話、皆さんのPCはまだ多くの人がHDDを使用されていると思います。HDDはその多くが7000回転以上のスピードで複数枚のディスクを回転し、ディスク上に磁気記録を行っています。ですから衝撃に弱く、熱を発生し,消費電力もかかってしまいます。その点SSDは可動部分がありません、Flashメモリー上にデータを記録し、高速な読み込み書き込み、そして消費電力があまりかかりません、皆さんが使用しているコンパクトディスクやSDカードの大容量版を 2.5インチや1.8インチの大きさにしてあるのです。ここで皆さん気がつかれたと思いますが、SSDにも早い製品遅い製品があります。今選ぶのであればIntel SSDです。SSDには大きく分けてSLCタイプとMLCタイプが存在します、SLCタイプが読み込み書き出しが早く、書き込み可能回数も多く、高性能です、その中でもIntelSSDのSLCタイプ、回路設計が優秀で、多くのキャッシュ、高性能なコントローラーをのせているので業界最高性能・高信頼製品となっています。(値段は高い)ここでUS IntelのSSDチームがおばかな映像をユーチューブにアップしていますので皆さんご覧ください。 (IntelSSDにもMLCがあります、これも高性能です)
 今後はLinkIconSandiskからも製品が登場します。これはMLCタイプのようですがExtremeFFSTMという新しいSSDアルゴリズムを持つ製品で、僕もこの製品(Intelに比べると安い)が出てからSSDを選び、自分のMacに載せ換えようと思っています。
 次にカメラのお話、もし皆さんがカメラ選びに迷って中古でもいいかと思った時、デジタルカメラは最新機種を買えという事です。今の最新機種は世代が新しくなるごとにダイナミックレンジや絵作りが優秀になり、綺麗な画を作ってくれます。最新機種は 内部処理が優秀になりJPGでの画像が非常に良くなった事があげられます。鹿野さんは自他ともに認めるRAW信者ですが、仕事によっては、もうJPGでOKなものもあるので、仕事のワークフローの中で、JPGでの流れを考えてもいいのではとおっしゃいました、JPGでのワークフローでOKな仕事であれば、手離れも早く、バックアップや処理スピードの効率化スピードアップがはかれ、短時間で多くの撮影が行えます。
PS(コンシューマー機を買って「これが出来ない」「あれが出来ない」とか不満を口にしない)
 JPGでの運用の場合でも、良いデータの判断の為にも、良いモニタを使用しましょう。そしてスタジオ撮影の場合等はホワイトバランスを必ずちゃんととる、野外での取材等の場合は鹿野さんはデイライトマーク(太陽マーク)での撮影をされるそうです。これは皆さん今迄フィルムの時、野外ではデイライトフィルムを使用し、スタジオでタングステン照明の時、タングステンフィルムを使用していたと思います。これで今迄は問題なかったはずです,ならばデジタルでも同じようにして大丈夫という事です。しかし蛍光灯での室内や水銀灯,今はやりのLED照明等はこれでは補正しきれません。それは光源が一定のきれいな分光配分になっておらず、いくつかの波長域において大きなずれがあるからです。この場合はフィルムでやったようなCCフィルター補正が必要なので、かならすマクベスやQPカード等を使用してグレイバランスをとらなくてはいけません。

090919電塾講義_38.jpg次が(LR2)LightRoom2のお話、LR2での補正の順番は上から順に行いましょうという事です。これはApertre,Capture One等も一緒ですが、まずホワイトバランス次に露出という事です。中には(DPP,SILKYPIX)露出補正が先で次ぎにホワイトバランスというものも存在しますが、カラーバランスによって露出は変化します。まずホワイトバランスをとり次に露出、ハイライト補正、シャドウ補正を行い、シーンによっては補助光効果等のツールを使用し画像調整していきます。つまりLR2の場合、上から順に処理を行えばいいようになっています。そして演色性の高い光源(自然光・ストロボ・タングステン光)の場合は色温度の調節だけ行い、色かぶり補正は行わず,蛍光灯やLED光源等は補正を行い、グリーンかぶりやマゼンダかぶりを補正していきます。
黒レベル補正はLR2でのデフォルトが5ぐらいになってますが鹿野さんは2に設定しているそうです(この方が補正がやりやすい)。また基本補正を行う場合の数値は最高で20ぐらいでおさめる、それが重要で、それが出来ないのであれば、ライティングから変更する必要がある事等、細かいテクニックを披露していただきました。
 話の途中で段階フィルターによる集合写真等での補正を行い、フォトショップなしで簡単に補正が行える事を実践で見せていただきました、またブラシツール+自動マスクにチェックで明瞭度(マイナス)を使用し、人物の肌をきれいにするテクニック、背景を部分的に明るくしたり暗くしたり、このような作業は今迄はフォトショップなしでは行えなかったものがLR2を使う事によって可能になりました。
 LR2では自分なりの設定を撮影シーンごとにプリセット保存しておき、読み込み時、自動的に設定を適応し、部分修正を段階フィルタ、ブラシフィルターで行う事により時間も短縮され早い処理が可能になります。このようにLR2を使用すればポートレートから料理・商品撮影等合成を必要としない限りもうフォトショップはいらないのかもしれません。
 次にフォトショプCS4のお話ですが、途中でトリックプリントの紹介、090919電塾講義_41.jpgこれは特殊インクを使用し、通常光では見えない画像が紫外線を当てる事によって見えるようになるインクです。エプソンのプリンターのカートリッジを換えて印刷出来るようです。もう一つLinkIconニッシンパワーパックプロの紹介です、皆さんナショナルのPE5651等のPEシリーズのストロボ眠っていませんか、積層電池が発売されなくなり、もう使用することができなくなったPEシリーズストロボ、この電源が充電式パワーパックとしてニッシンから発売されています。そして電源出力端子が2箇所ついています、店頭では販売していないので注文になりますし、使用するストロボのスパイラルコードをニッシンに送り、改造してもらう必要がありますが、これで眠っていたストロボが使えるようになります。それも2灯同時に、充電スピードも速く発光も早いです。もう一機種LinkIconニッシンスピードライトDi866、ニコン用は既に発売にされていますが、Canon用は間もなく9月26日に発売になります。このスピードライト、デジタルTTLはもちろんですが、ワイヤレスTTL制御システムを搭載し、マスター/リモートスレーブとしても機能し、アナログスレーブもついてます。またGNも60でサブ発光部を備えています、何よりいいのはバッテリーがカートリッジ式になっていて、しかも安い事だそうです。

そしてCS4のお話です。今回鹿野さんが執筆された「Photoshop CS4までのおいしい新機能活用講座」からの抜粋です。まずCS4とCS3で最も変わった事は、自動判定機能が進化した事だそうです。これによってすべての機能がUPし、新規の拡大縮小機能やピントコントロール機能等が加わった事です。また各ツールにトーンの保護が加わり自動判定が高度になりました、拡大縮小等でうまくいかない事もありますが、拡大縮小がしたくない部分にはαチャンネルで保護すればうまくいきます。またパノラマを作成する時、センターの画像を基準にパノラマを作成するので、なるべく奇数で撮影を行えばうまくいくそうです。また上下で二枚の画像を使用する時などは、下の画像を基準に作成されるそうです。また自然できれいなパノラマを作成したい時は自動ではなくコラージュを選択すると自然なパノラマが作成出来るそうです。そしてもう一つ今迄鹿野さんは「ブラシサイズ」「ぼかしコントロール」にダイヤル式コントローラを使用されていましたが、今回のCS4ではショートカットでも行える(ブラシサイズ Control+option+ドラッグ)(ぼかし 量 Control+option+⌘+ドラッグ)ので、コントローラが必要なくなったそうです。
 CS4でファイルを開いた時、デフォルトではファイルがタブで開きます。これ便利な時とやりにくい時があるんですが、ショートカットキーで分離したり、全部を升状にできれば便利です。ショートカット作成の仕方をムービーにしてみたのでご覧ください,これ以外にも自分でやりやすいように作成しておけるので、自分用のカスタマイズを楽しんでください。
 次が究極のカラーマネージメントです。今回2台のモニターを用意してのセミナーです。まずは三菱RDT241WEX、sRGB表示のIPS液晶パネルモニターです。なぜ鹿野さんがAdobeRGBではなくsRGBモニターを紹介するのか、これは動画撮影やWEB/3DCGの仕事が今後増えていく事にも対応出来るモニターだからです。また金額もこのクラスにしては非常に安く購入出来るからです。
090919電塾講義_72.jpg まずこのモニターをスパイダー3を使用してソフトウエアーキャリブレーションの実践を行いました、その間少し時間がかかるので、エプソンストレージビュアーの新ファームウエアーで可能になったカメラコントロールの紹介です。まだNIKONにしか対応してないのですが、このストレージビュアーによってライブビュー、絞り/シャッターのコントロール,データの保存等が行えます、Canonの場合は同時記録でのバックアップは行えますが、コントロールは無理です、これによりロケ現場やスタジオでもPCなしで画像の確認や保存が行え、前回湯浅さんのときに行ったサブモニターでの俯瞰での撮影確認なども簡単に行うことができます。シャッターも押せますのでPCなしでの操作等には重宝しそうです。Canonにも対応してくれればいいのですが。
 そうこうするうちにキャリブレーションが終わりました、キャリブレータを使用すればソフトキャリブレーションでもそこそこ奇麗なトーンを作ってくれます。090919電塾講義_32.jpg

普通キャリブレーションをするにはハード(測定機器)が必要ですが、このモニターは目視によるキャリブレーションツールEASY COLOR!2が使用出来ます(MACではMAC Pro、WindowsではVISTでしか使用出来ません)。まずどんなにいいモニターを使用しても環境光がちゃんとしてないとうまく機能しません。まず高演色性のAAA蛍光灯を使用し5000°ケルビンの環境を作りモニターも同じ5000°に設定します。次に大事なのが鑑賞物の照度とモニターの輝度を一緒にする事です。この測定には反射式露光計を使用しましょう、モニターは80カンデラから120カンデラの間であわせ込みます。あまり明るすぎるとうまくいきません鹿野さんは細かくEASY COLOR!2を操作し印刷見本を見ながら調整していかれましたが,このソフトのいいところは色かぶりと色温度を一緒の画面で追い込める事だそうです。ウイザード形式にすればもっと簡単に行えるかもしれませんが、それでは色かぶり調節と色温度調節がうまく行えないのだそうです。この調節でかなりうまくキャリブレーションが行えていました。次に紹介するモニターはナナオの新製品ColorEdge CG243Wです。IPS液晶を使用しAdobeRGB色域98%、グラフィックカードが10bit出力に対応すればさらにきれいなトーンが期待出来ます。これはほんとに良いモニターで、金額的に許されるのであればこの機種が一番いいと鹿野さんもいっておられました。やはりハードウエアーキャリブレーションは簡単でしかも高性能にキャリブレーションを行ってくれます。このCGシリーズのColorNavigatorを使用する時のチップスは、グレーバランス優先にチェックを入れる事だそうです。

090919電塾講義_76.jpg最後のお話はそろそろムービーを始めましょうという事です。鹿野さんは今Final Cut Proを勉強して自分で撮影/編集を行い仕事をされているという事でした。カメラはPentaxK7を使用されているそうですが、Canon7Dを買う予定にしているという事でした。これはNikonD300Sと比べた時圧縮形式がMPEG-4 AVC,MOV形式である点、60P/50P/30P/25P/24Pが選択出来る等、ムービー機能に関してはプロレベルの機種だからだそうです。私たちは撮影のプロと同時にライティングのプロでもあります。スチルと同時にムービーを撮影出来れば仕事の量を増やすことができます、さあ皆さん勉強を始めましょう。
 ちょっと時間が余ったので最後の最後にセコニックのデジタルメータでのダイナミックレンジの作成の方法等を紹介して、今回のセミナーが終了しました。最初内容が多く、全部できるのかなと思ったのですが、さすがに鹿野さん、途中の処理待ち時間をうまく利用し、予定の内容をすべてこなされました。セミナー終了後茶話会を開いて皆さんとお話を行いました。鹿野さん長い時間ありがとうございました。

写真 河口清秀
レポート 河口清秀